聖なる光【完結】

「放送席、放送席、こちら男子100mを見事優勝した中谷選手です!」インタビューの人は聖矢にマイクを向けた。

「ありがとうございます」聖矢は片手を上げて一礼している。

「優勝と分かった瞬間どんな気持ちでしたか?」
「何とも言えないですね。ただただ嬉しくて涙が出ました。本当にありがとうございます」そして聖矢は一呼吸置いて話始めた。

「この場を借りてご報告させていただきたいことがあります。僕が日本に帰国した理由は、ずっと僕を待っていてくれた人と結婚するためです。」記者の人たちが聖矢の顔をカシャカシャ撮っている。

「彼女は僕に勇気をくれました。彼女がいたから僕がここにいるのだと本当に感謝しています。」聖矢はパッと私の顔を見てこちらに近寄ってきた。

悟史くんが私の背中をそっと押してくる。

「わっ」私は咄嗟に悟史くんの方を見る。悟史くんはニコニコしている。


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