聖なる光【完結】

前を見ると聖矢が立っていて私の腕を引っ張った。

「ちょ、ちょっと恥ずかしいよ」私はすっぽりと彼の腕の中に入った。

「いいだろ。世界に光を自慢したいんだ」マイクにもれないように小さな声で私の耳で話す。

「愛してるよ、光」またまた耳元で誰にも聞こえないくらいの大きさではなす。

「バカ聖矢っ」翌日の新聞とテレビの一面を飾ったのは私達と言うまでもない。

そしてインタビューが終わると表彰式が行われた。

一位の台の上から私に向かって大きな声で叫んでくる聖矢。「光、ありがとう。」

「これ……」
「ん?何?」隣の美優が尋ねてくる。

「何でもない」私は昔の夢を思い出していた。いつか見たこのシーンの夢を。あれは正夢だったんだね。


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