聖なる光【完結】

病室のドアが開いた。コンビニ袋を持った聖矢が入ってくる。

「光っ」聖矢はコンビニ袋を落として前から私を支える。
「聖矢くん、ナースコール押して」美優は必死に聖矢に伝える。
聖矢はナースコールを押す。

それと同時に美優の腕から私は逃げて走った。とにかく走ったの。
さっきあんなに元気にボール持ってたじゃない。
死んだなんて嘘だって言って!!

「光っ!!」急に誰かに抱きしめられる。
「やだ、離して!!拓真が呼んでるもん」涙で前があまり見えないけど聖矢の声だった。

パチッ

聖矢が私の頬をたたいた。
周りの人が驚いてこっちを見ている。
「いい加減にしろよ!?みんなどんなに心配したと思ってんだ!!光は生きてるんだ!!拓真が生きろってそうお前を助けたんだ。死ぬな」
そう言って聖矢は今まででされたことのないくらい強く抱きしめてくれた。

「光は生きろ。」聖矢、ごめんねっ。

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