聖なる光【完結】

「今日、大上の葬儀あるんだけど大丈夫か?」
「まだ終わってなかったんだ」
「紗世さんが光が目を覚ますまで待っててくれたのよ」紗世さんというのは拓真のお母さんだ。
私たちはお互いの家にも行っていたから親同士の仲がいい。

「うん。行く」
少し行くのが怖い…。きっと拓真のお母さんは私を恨んでると思う。

「光、ちょっと来い」聖矢がお構い無しに私の腕を引っ張る。
「ちょっと、聖矢」
私の部屋だった。何で知ってるんだろうと思ったが聖矢がここまで運んでくれたんだと自分で納得していた。

「お前、自分のせいで大上が死んだと思ってるだろ」
「だってそうじゃん!!私が道路に飛び込んだから拓真は…」
「そんなこと言ったらきっと大上怒ってるぞ。そんなこと言うな」

「だって…」
「光が自分自身を責めたら大上、何のために光を守ったんだよ。そんなこと思うな」
「聖矢…」

私はどうやって生きて行けばいいんだろう?
拓真、私のこと本当に恨んでないの?

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