聖なる光【完結】
しばらくして聖矢が迎えにきた。聖矢は何も言わず手を握ってくれた。
いざ会場の前に来ると足がすくんでしまった。ここに拓真はいる…。
「どうした?大丈夫か?」聖矢は私の顔をのぞきこみ心配そうに尋ねてきた。
「ううん、大丈夫」
拓真に会わないと…。ありがとうって伝えないといけないんだ。
「聖矢、行く」聖矢は私の頭を撫でて優しく背中を押してくれた。
会場にはたくさんの人がいて、みんなが泣いていた。
拓真はたくさんの人に愛されていたんだ。
そんな拓真を私は…。
そう考えてしまったがさっき聖矢に言われた言葉を思い出す。
前に行くと無邪気に笑う拓真の写真がある。
優しくて、優しくて。
拓真は優しさの塊だった。
私の大事な大事な人だった。
拓真、私のこと怒ってないの?