聖なる光【完結】
「光ちゃん、拓真のこと忘れないでね」私は力強く頷いた。絶対忘れない。
「そして幸せになっていっぱい笑ってて。拓真にたくさんの笑顔を見せてあげて」
「拓真のお母さん…」
「光ちゃん、拓真と出会ってくれてありがとう。あの子にたくさんの幸せをありがとう」会場の人たちも私たちのやりとりをみて涙を流していた。
私は落ち着いて一礼して会場を出た。
「聖矢、ちょっとトイレ行ってくるね」
「ここで待ってる」トイレの鏡を見に行くと私の顔は見事に腫れていた。
「拓真、この腫れた顔みて天国で笑わないでよ」そう言って私は鏡の自分に微笑んだ。
トイレから出ると聖矢が女の人と話し込んでいる。
「あっ、戻ってきた」聖矢が私を見て女の人に言った。
「この人は桜田由依さん。光に話あるって。俺、あのベンチで待ってるな」そう言ってベンチの方に歩いていった。