聖なる光【完結】

「じゃあ、俺また待ってるな」そう言って私の頭を撫でてくれた。

私は黒髪の人のところに駆け寄った。
「あの…」
私は恐る恐る話しかけた。その人は振り向いて私の顔をガン見した。

その人の目は私よりも腫れていてすごく泣いたとこを示していた。
「あっ、光ちゃんかな?」
「はい!」
「俺、澤野悟史。よろしく」そう言って手を差し出してくれた。

「あっ、」私はすぐに手を出して握手した。
「私は、」
「藍川光ちゃんだろ。座ろう」そう言って外にある花壇の段差に腰かけた。

「あいつ、優しいだろ?」あいつとは拓真のことだろう。
「うん。優しい。拓真は優しさの塊だよ」

「だよなっーあいつこんな俺にもすっげえ優しかった。タバコ吸ったり、お酒飲んだりして酔っぱらって警察にパクられてもあいつ迎えに来てくれた。俺の親、死んだんだ…」
「えっ!?」私は悟史くんの顔を思わず見てしまった。

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