聖なる光【完結】

「俺、あいつばっかり頼ってた。タバコやめろって言われてもやめなかったし、酒もやめられなかった。俺、あいつが死ぬが死ぬまで何も約束守れなかった…。だから今は髪の毛真っ黒」悟史くんが鼻で笑った。

「バカだよな…。あいつが死んでから全部守るなんてよ」
「ごめんなさい…」

私のせいだ…。
悟史くんには拓真が必要なのに。

「何で光ちゃんが謝るんだよっ」
「私のせいで…拓真は…」
「やめろよ。拓真は光ちゃんのせいで死んだんじゃない。拓真だから…拓真は誰だってそうしてたよ。きっと知らない人でも」

「悟史くん…」
「ごめんな?俺がこんな話するからだな。光ちゃんに見せたいものあるんだけど」
「ん?何?」悟史くんはカバンからある封筒を出した。

「偶然に拓真が死ぬ前の日、俺、拓真と会ってたんだ」
「そうなの?」
「うん。これ…拓真からもらった手紙なんだ」
悟史くんは私にその手紙を渡した。

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