聖なる光【完結】
「もしかして聖矢が?」
さっきの聖矢は本当に荒れていたから何があってもおかしくない。聖矢が徳原くんを殴った風景が浮かんだ。
「仕方ねぇよ。あいつ全国無理になったから…」
徳原くんは自分のことのように落ち込んでいた。
「ごめんねっ…徳原くんまで…」
「何で藍川が謝るんだよ」
「だって…聖矢が八つ当たりするのは私だけで十分なのに。徳原くんまで迷惑かけちゃったから」
「そんな風に言うなよ。俺だってあいつのダチなんだから。迷惑かけられたいよ」
そう言って苦笑いしていた。
「聖矢…すっげえ全国のことこだわってた。去年はそんなことなかったんだ。だけど、今年、女バスと男バス、全国いけなかっただろ?」
そう…。みんなが拓真を思って全国を目指した。
だけど両方とも準決勝で負けてしまった。
「大上に認めてもらうには全国で戦うしかないって。あいつ、なんだかんだで大上が死んだの自分のせいだと思い込んでる」
「えっ」
私は何を言っているのか理解ができなかった。
「俺が光と出会ってなかったら大上は死んでなかったって。俺が光に声かけてなかったら死んでなかった」
「そんな…」
『お前のせいだと思うな』
私に笑顔で何度も言ってくれた言葉だ。