聖なる光【完結】

私の予想が当たりコートをひたすら走っている私。ボールを持っているのは加代だ。

「光っ」私は加代からのパスを受け取りゴールへ突っ込んでいった。

゙入れ゙

その願いは届かず相手チームの手にボールが渡ってしまった。きまらない…。

さっきから私のシュートが全くきまらない。結局最後まで私のシュートは決まらなかった。

「光、どうした?」加代が声をかけてくる。

「何が?」私はマネージャーから受け取ったお茶を飲みながら尋ねる。

「今日の光、全くシュートきまってなかったよ」私のプレーに気付くのは加代だった。

「そんなことないよ」
「そぉ?」
「うん、気のせい気のせい」そう言って私は笑顔を見せて片付けを始めた。

「光っ」加代が私の名前をもう一度呼ぶ。
「んっ?」
「疲れたら休んでいいんだから。無理したらダメだよ」笑顔で言って部員の輪の中に入っていった。

嬉しかった。

「ありがとう」私は誰にも聞こえないくらいの声で言った。

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