聖なる光【完結】
「聖矢っ」聖矢はすぐに気付きこっちに寄り添ってくる。
「近い近いっ」
聖矢は私に抱き着くくらいの距離にいる。
「光、帰るか」何かされると思ったらただ頭を撫でられただけ。
「う、うん。急に何よ」
私は175cmくらいの聖矢を見上げていじけた。
「別に。ただ光の頭触りたかっただけ」
「ふーん。気持ちわるっ」聖矢は笑って「嘘だし」と言っていた。
「ほら、帰ろ」聖矢は私の頭をポンポンとした。私たちは自転車を押しながらゆっくり歩いた。
「なあ、光。バスケに悩んだことってある?」
聖矢の突然の問いにドキッっとした。聖矢にはすべて見抜かれているような気がして。
「うーん。分かんない」
私はなぜか聖矢に言いたくなくてごまかした。
「そっか。何かあったら言えよ」聖矢はいつもの笑顔で微笑んだ。
この笑顔を見ると私は魔法にかかってしまう。こんなに毎日一緒にいてもドキドキする。
その時にいつも思う。あっ、私この人に恋してるんだって。