神は彼を奪う~君と生きた道~
病室を出てから、私と朝飛の家族はすぐに医者に呼び出された。
医者からでた言葉・・・それは、
「余命は、早くて2ヶ月・・・遅くても半年になると思います」
余命宣言。
「手術して治るとか・・・助かる方法はないんですか?」
と、朝飛のお母さん。 すごく必死に聞いている。
「思ったよりもはるかに病気の進行が早いので、今手術しても余命は伸びることはありません。 奇跡を祈るしかないと言えます。 入院したほうがいいですよ」
”奇跡を祈るしかない”・・・・・。
じゃあ、私は祈るよ。
奇跡が起こるまで祈り続けるよ。
だからお願い・・・神様、
朝飛を空へ連れていかないで・・・・。
私にとって朝飛は、世界で一番大切な存在なの。 一番守りたい人なの。 一番好きな人なの・・・・。


結局朝飛は入院することに。
学校のみんなには、家の事情と言っているみたいだった。
「お前は学校もあるし、無理して来なくてもいいよ」
朝飛はそう言ってくれた。
でも、朝飛がいない学校は楽しくない。
朝飛がいないのがこんなにも寂しいなんて・・・。





私ね、朝飛が入院することが決まってから、改めて朝飛のこと「守りたい」って思えるようになったんだ。
だけど、どうやって守ればいいのかがわからなかった。
・・・・あの頃の私は。
今なら、朝飛のこと守れる私に成長したのに
守れないなんて、悲しすぎる。
守りたい・・・今でも私は本気で思ってるよ?
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