会長サマのお隣。


ジッ、と会長の口元を注目する。



マグカップはすでに口へと運ばれる途中で、今にも口につきそうな状態。



あと、ちょっと。あともう少し。



……あっ!




「……。」




――カタン、と。


口に入ると思った瞬間、会長は何を思ったのか、飲まずにマグカップをテーブルに戻してしまいました。



そして、私をジッと見つめながら一言。



「…見られてると飲みづらいんだけど。」

『あっ…。』




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