会長サマのお隣。
さっきのことをなかったことにするように、手のひらをパンパンと擦る俺。
こんなことしたなんて、俺自身有り得ないし、俺らしくない。
内心、ヒヤヒヤとする心臓を隠すように、俺はぶっきらぼうに口を開いた。
「…あ、でも。」
『な、なんでしょうか…。』
――俺は、一体美穂に何を聞きたかったんだろう。
…わからない。
わからないけど、気づいたら俺は真っ直ぐと美穂を見つめ、問い詰めるような口調になっていたんだ。
『…アイツ。』
「アイツ…??」