会長サマのお隣。



美穂も顔を赤くしながら、ピョコピョコ俺に続くように、廊下へと歩き出す。



変に否定の言葉を並べたりしないのは、恥ずかしくて喋ることもできないからだと思う。



…なんつうか、客観的に見た美穂は、お湯に浮いたゆで卵みたいだ。




『…ちっ。』



聞こえるか聞こえないか微妙な舌打ちをしながら、バタンと乱暴に扉を閉める。



ちょっとした反抗心と、機嫌の悪さの現れ。



別に美穂に対しての当てつけのつもりではないんだけど、美穂はビクンと肩を揺らしていた。




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