会長サマのお隣。
いつもと同じ、会話のはずなのに。
いつもと全く変わらず、会話に呆れられてるだけなのに。
今の私には、会長との一つ一つのやりとりが、新鮮味を帯びたように緊張する。
いつもはすんなり言える言葉も、今は声が行き詰まったように、上手く喋れません。
「…美穂、顔上げて。」
泣いたり、上手く喋れなかったり。
今日の私は、ちょっとおかしい。
それにさっき、キスじゃないとわかった瞬間。
物足りない、と思ってしまった…。