会長サマのお隣。



「先輩…。」

『そうなんです!もう先輩のことを考えるだけで、頭がウキウキして。

違う世界に旅立っちゃったんです。』

「ふーん…。」




自分がさっき考えたことを、一生懸命に話す私。



興味なさそうだけど、一応返事をしてくれる会長を確認しながら、私は話を進めていきます。




『だから、会長が憎いとかそんなわけじゃなくて…。』

「……。」

『悪気とか、なかったんです。』




…多分。この時の私は、自分のことでいっぱいいっぱいだった。



だから、わからなかったんです。



会長の相づちが、いつのまにか消えていたことを。




< 161 / 328 >

この作品をシェア

pagetop