会長サマのお隣。
今押していけば、会長は教科書を見せてくれるかもしれない。
多分、会長はさっきの言葉を少なからず、申し訳ないと思っているはずだから。
私はもう一踏ん張りをしようと、大きく口を開きました。
『でも、会長は…っ!』
――事件が起きたのは、次の瞬間。
ガラガラッ、と。
普通ではない大きさのドアを開く音が、教室内を響き渡って。
思わず目的を忘れ、音の震源へと振り返ってしまう。
そしてその先にいた人物を見た瞬間、一気に私の胸が高まったのを感じました。