会長サマのお隣。
だけど、違った。
会長は私を“特別”だなんて、思ってない。
優しくされたということは、きっとそういうこと。
『……。』
今にも溢れそうな感情をごまかすために、必死に黒板に書いてあるものをノートに写す。
会長とのやりとりに随分熱中していたみたいで、黒板に写し出されるものは、だいぶ先へと進んでしまっていました。
『…あっ。』
消される黒板の文字と、かき消される私の声。
私の声は虚しく、黒板はまっさらと最初の状態へと戻ってしまいます。