会長サマのお隣。
静かになった(漫画の)読書タイムと、効率がよくなった仕事。
そんなの、ずっと前から知っていた。
美穂がいない方がスムーズなのだって、考えなくてもわかっていた。
『…ばっかみてぇ。』
本当に、俺ってバカ。
初めて自分自身がバカだと感じたんだけど。
だけど、俺のことをチラチラ見てくるくせに、怯えて話しかけようとしない美穂は、もっともっとバカだ。
『…ばーか。』
少しだけ、呟いてみる。
今は誰もいないから、独り言も問題ない。