会長サマのお隣。



備え付けのスリッパを履かずに部屋を歩き回る結愛先輩を、視線だけでたどる。



図々しい人だと思いつつも、先輩だから顔には出さないことにした。




『…なにか用ですか?』




決して用があるようには、見えないんだけど。


なにも言わずに追い出すわけにはいかないので、とりあえず聞いてみる。




「えぇー、美穂ちゃんと遊びたかったのに~!」




……無視ですか。



こちらを一切見ようとしない結愛先輩に、俺は小さくも顔を歪めた。



< 231 / 328 >

この作品をシェア

pagetop