会長サマのお隣。
備え付けのスリッパを履かずに部屋を歩き回る結愛先輩を、視線だけでたどる。
図々しい人だと思いつつも、先輩だから顔には出さないことにした。
『…なにか用ですか?』
決して用があるようには、見えないんだけど。
なにも言わずに追い出すわけにはいかないので、とりあえず聞いてみる。
「えぇー、美穂ちゃんと遊びたかったのに~!」
……無視ですか。
こちらを一切見ようとしない結愛先輩に、俺は小さくも顔を歪めた。