会長サマのお隣。
強制的に駆け出された足と、私を引っ張る結愛先輩の手。
素早い結愛先輩についていけず、鈍くさい私は転びそうになってしまう。
『…えっ、えっ…。』
よくわからない声を上げつつも、走る結愛先輩に一生懸命ついていく。
私は今、どんな状況に立っているの?
どこに連れて行かれるのか、状況が掴めません。
全てが、わからないんです。
「…会長くんったら。美穂ちゃん帰ってなんかないじゃん。
元気じゃん。」
そんな私には、結愛先輩がそんなふうに呟いてたことさえ、わからなかったみたいです。