会長サマのお隣。
馬鹿みたいだった。
いつもは感情的に行動するなんて有り得ないし、そんなのする奴は馬鹿だと思っていたのに。
止めようと思っても止められない、終わりを知らない感情。
嫌だと思いつつも、悪くないかもしれないと思っている自分がいて。
考えが逆転しかけてる俺がなんだか可笑しくて、自分自身笑えた。
「どうしたんですか、会長…っ」
後ろから聞こえる、美穂のか細い声。
メガネがないからか、足元がフラついている。
もし転びそうになったら、受け止めてやればいいか。
そう思ったから、進む足は止めなかった。