会長サマのお隣。
『……っ』
ふいに溢れ出てきたのは、さっきとは比べものにならない大量の涙。
次から次から零れてくるそれは、私の新しいワンピースを濡らしていく。
本当は私は、気づいていたのかもしれない。
「…美穂。」
ちゃんと、知っていたんです。
会長は、外見で人を判断しない人だって。
だからこそ、外見をどんなに変えたって、会長に誉めてもらえないことは、最初から知っていた。
――それなのに、可愛くなろうとしたのは、なぜ?