会長サマのお隣。
ただ会長に可愛く見られたかった。
会長が中身を見る人だとわかっていても、その気持ちは止まらなかったんです。
会長の前では少しでも可愛くいたい。
そう思ってる自分がいたから。
「…あーもう。」
気づけば、周りにはたくさんの人が集まっていて。
会長がめんどくさそうに髪を掻きながら、泣いてる私の髪をクシャクシャにする。
泣いてるのにその瞬間胸が高まった私は、きっと可笑しいのです。
「…だから嫌なんだよ。」
ボソッと、なにかを不満げに呟く会長。
そしてその瞬間、会長の手によって顔を上げられた私は、いきなり視界がクリアになっていました。