会長サマのお隣。
「…私だって本気で悩んでるんですから。」
返ってきた答えは怒ってるのでもなく、泣きそうな声でもない。
…トーンが下がった、しんみりした、声。
『…美穂。』
無意識に呼んでいた美穂の名前。
コイツ…、リアルに悩んでるわけ?
勉強ができないことに?
外見とのギャップに?
『…別に悩むことないと思うけど。』
ぶっきらぼうに、面倒くさそうに答える俺。
だって別に、勉強が世の中の全てじゃないし。
それに俺は普段から、頭悪そうだな、とは薄々感じてたし。
ギャップもなにもない。