会長サマのお隣。
俺の不機嫌さを読み取るのだけは、無駄にうまい美穂。
「えぇ…っと、決して嫌なわけではなく…」
焦ったように、ツラツラと否定の言葉を並べる。
…でも、そんな努力はほぼ無。
唯一優れた能力は、なんの役にもたっていない。
…どうやらコイツは、
俺と勉強するのが嫌、らしい。
『…ふーん。』
「いや、だからですねー、あの。
会長に迷惑かけては悪いし…。」
俺の色んな意味が入ったつぶやきは、聞こえなかったのか。
美穂にしては上手い言い訳を、目を泳がせながら口にしていた。