会長サマのお隣。
思わず眉間にシワを寄せながら、俺は頭に1つメモ。
…美穂は意外とマシンガントークだから。
今度から変に話題を振るのはやめなくては。
「…でも、まだ会えていないんですよね。」
『は?』
突然、美穂が遠い昔を見るようなトーンになったから。
暇になって下を向いていた顔をあげる。
…会えてない、って…。
誰に会えてないんだよ。
『…誰に?』
最低限度の言葉だけで、率直な疑問を口にする俺。
美穂は「待ってました!」とでも言いたげに、顔をパッと明るくした。