会長サマのお隣。
…もう、諦めて『わかりません』と言おうか。
笑いものになるのは見えてますが、このまま時が流れるのはもっと嫌。
それに、時間が経てば経つほど、みんなの視線は痛くなるものだから。
どうせわからないのなら、早く諦めた方がいい。
『わか…』
『わかりません』、そう言おうとした時でした。
――コン、と。
横から肩に向かって、小さな衝撃が走る。
みんなは私の口元に注目していたので、それには気づかなかったようです。
途中で途切れた言葉に、みんなは不思議そうに私を見る。
だけど私は、丁度ノートの上に落下したそれに釘付けでした。