会長サマのお隣。


雑だけど、綺麗な字。


横から飛んできた“それ”はノートの切れ端で、そこには因数分解の答えが書いてありました。



『……っ』



思わず、左側を振り返る。



左側から飛んできた、ノートの切れ端。


私の左側座ってるのは会長だけだし、なにより長距離から投げても軽すぎて落下してしまう。


位置的にノートの切れ端を投げたのは、会長しかいないのです。



『……っ』



もう、なんていうか胸がいっぱいでした。


予想外の会長の優しさに顔はにやけ、思わず胸がいっぱいになります。


…例の会長は、何事もなかったかのように、グランドを眺めていましたが。



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