会長サマのお隣。
「……」
…急いでるからなのだろうか。
美穂は俺と教室の扉を交互に見ながら、戸惑っている。
…多分だけど、外にいる“誰か”に会いたいのだろう。
美穂はチラチラと窓際も確認していた。
『……。』
行きたいなら、早く俺に謝って、外にいけばいいのに。
…まぁ、それをさせない雰囲気を作ってるのは、俺なんだけど。
『…あのさ。』
ふと、いいことを思いついた俺は、小さく唇をあける。
メガネの奥の美穂の目が、俺の唇に注目したのを感じた。