会長サマのお隣。


『外に早く行きたいんだろ?

…行ってきな?』

「……っ!」



ここは俺のテクニック。



あえての優しい口調と、柔らかい雰囲気。


これを使えば、馬鹿な美穂のこと。

簡単に信用するだろう。



「…ありがとうございます!」



現に目をキラキラさせながら、美穂は俺に向かってお辞儀をしている。


そして、綺麗な直角お辞儀から顔をあげると、嬉しそうに教室の外へと駆け出していった。



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