会長サマのお隣。
…確かに、先輩は話し掛けられれば、ちゃんと言葉を返す。
無視したりしない。
けれども、それは必要最低限で、余計なことは言わないし、
ましてや、必要のない愛想笑いはしないはずだ。
そんな先輩は、俺から見て“彼女にしか笑わない”、そんなイメージがあった。
…なのに。
『笑ってる…?』
先生とか、目上の人でもない。
彼女である結愛先輩でもない。
先輩の目の前にいるのは、“美穂”なのに。