忘れられない人
龍二は戸惑っていたけど、ベッドの近くに置いてあった抱き枕を抱きかかえて、私の隣にいてくれた。

『ありがとう。嬉しい』

頑張って笑って見せると、私のおでこに軽くキスをした。

『俺があんなこと言わなければ‥こんな事には‥』

龍二は自分を責めていた。


『そんなことないよ!!私はもう大丈夫だから。
聞きたいことがあるんでしょ?今言って。私何でも答えるから』

『でも‥』

私を心配そうに見てきた。


『じゃあ、私から元彼の事話すから‥聞きたい事あったらその都度質問して』

龍二は「うん」と頷いたので、私はゆっくり話を始めた。


部屋の中は音楽もなく、静まり返っていた。
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