忘れられない人
少ししたら、彼と一緒に店員さんが戻ってきて、私の予想通り彼は電気スタンドを買うことに決めたの。
電気スタンドと一緒に車に戻るとき
「よかったね」って買った商品に向かって話しかけたんだ。彼は私の行動を不思議そうに見ていたけど、あまりにも私が楽しそうだったから、彼も「よかったな」って話しかけていたの。
彼を見つめていたらね、次第に電気スタンドが子どもに見えてきたんだ。
彼と私は夫婦で、子どもと一緒に買い物に来ている風景。幸せそうに笑う3人。これから夕飯でも食べに行こうかって言う彼‥妄想は膨らんでいったの。
妄想の中ではね、私は幸せを掴んでいたの。
でもね、その後ある事故が発生して、私は無理やり現実の世界に引き戻されたの。それはね‥
私の前方不注意で電柱に頭をぶつけたの。
凄く痛くて、私はその場にしゃがみ込んでしまったの。彼は必死に「大丈夫か?」って聞いてきてくれてね。本当に心配してくれているとその時は思っていたんだけど‥
後でこの事故を思い出したとき「漫画の世界みたいな光景だった」って彼は笑いながら言うんだよ!酷いと思わない?まっ、今思い出すと少し情けな話なんだけどね‥
私たちは、そのまま何事もなかったかのように車に乗り込んだんだの。
車の中ではね、今でも好きな‥あの曲が流れていたの。さっき龍二が流そうとした曲が‥。
この曲はね、いつも彼の車に乗ると流れるの。最初聴いた時は、歌っているアーティストも知らなくてね。もちろん曲も聴いたことがなかった。でも彼の事を知りたいって思っていたから、メロディーを覚えて学校で鼻歌で歌って、曲名を友達に聞いたりしてたんだ。
誰が歌っている曲なのか知ったときは、すぐにCDショップに行ってCDを買って、その日から毎日聴いていたの。気付いたときには、私はこの曲も、アーティストも好きになっていた。
だからね‥
今でもこの曲を聴くと、彼との思い出が蘇ってくるの。楽しかったことも、辛かったことも。だから‥出来るだけ聴かないように意識して避けていたの。
『さっきはごめんね。本当は今でもこの曲が大好きなんだ‥』
『そっか‥』
龍二は、机の上に置いてあった水を一気に飲んだ。私は、飲み終わったのを確認してから続きを話し始めた。
電気スタンドと一緒に車に戻るとき
「よかったね」って買った商品に向かって話しかけたんだ。彼は私の行動を不思議そうに見ていたけど、あまりにも私が楽しそうだったから、彼も「よかったな」って話しかけていたの。
彼を見つめていたらね、次第に電気スタンドが子どもに見えてきたんだ。
彼と私は夫婦で、子どもと一緒に買い物に来ている風景。幸せそうに笑う3人。これから夕飯でも食べに行こうかって言う彼‥妄想は膨らんでいったの。
妄想の中ではね、私は幸せを掴んでいたの。
でもね、その後ある事故が発生して、私は無理やり現実の世界に引き戻されたの。それはね‥
私の前方不注意で電柱に頭をぶつけたの。
凄く痛くて、私はその場にしゃがみ込んでしまったの。彼は必死に「大丈夫か?」って聞いてきてくれてね。本当に心配してくれているとその時は思っていたんだけど‥
後でこの事故を思い出したとき「漫画の世界みたいな光景だった」って彼は笑いながら言うんだよ!酷いと思わない?まっ、今思い出すと少し情けな話なんだけどね‥
私たちは、そのまま何事もなかったかのように車に乗り込んだんだの。
車の中ではね、今でも好きな‥あの曲が流れていたの。さっき龍二が流そうとした曲が‥。
この曲はね、いつも彼の車に乗ると流れるの。最初聴いた時は、歌っているアーティストも知らなくてね。もちろん曲も聴いたことがなかった。でも彼の事を知りたいって思っていたから、メロディーを覚えて学校で鼻歌で歌って、曲名を友達に聞いたりしてたんだ。
誰が歌っている曲なのか知ったときは、すぐにCDショップに行ってCDを買って、その日から毎日聴いていたの。気付いたときには、私はこの曲も、アーティストも好きになっていた。
だからね‥
今でもこの曲を聴くと、彼との思い出が蘇ってくるの。楽しかったことも、辛かったことも。だから‥出来るだけ聴かないように意識して避けていたの。
『さっきはごめんね。本当は今でもこの曲が大好きなんだ‥』
『そっか‥』
龍二は、机の上に置いてあった水を一気に飲んだ。私は、飲み終わったのを確認してから続きを話し始めた。