忘れられない人
『いらっしゃいませ。2名様でよろしいでしょうか?』
『あぁ』
『では、奥の席にお座りください』
リュウジが歩き出したので、私も小走りで歩き始めた。
私たちが座った席は、2人専用の席で周りにはまだ誰もいなかった。照明も、明るいとは到底言いがたい雰囲気で「高級さ」を漂わせていた。この場に私がいていいのかな?そんな事を考えると、体が萎縮していた。
そんな私とは違ってリュウジは落ち着いていた。
『何か食べるか?』
リュウジの問いに私は首を大きく横に振った。
『何か飲む?』
また横に首を振った。
そのあとは私に話しかけることもなく、店の店員を呼んで何かを注文していた。私は雰囲気に圧倒されて何も出来ないでいた。
『おーい』
『えっ?何か言った?』
『どうした?気分でも悪いのか?』
リュウジは私を心配してくれた。
『ううん。そうじゃないの。そうじゃなくて‥』
『じゃあ』
私はテーブルの上に置いてあった水を一口飲んだ。
『こんな高そうなお店って来たことないから‥緊張しちゃって。服だって全然雰囲気とあってないし‥私だけ浮いちゃっているように思ったら何だか‥ね‥』
上手く笑うことが出来なかった。そんな私を見て、リュウジは手拭で手を拭いていた。
『こう見えて、俺も結構緊張していたりして?』
リュウジは私を安心させてくれる為に、そんな事を言ったのだと思った。
『そんな嘘、すぐに見破れるんだから。本当は何度も来た事あるんでしょ?じゃなきゃ、この店を選んだりしないと思う』
『それは‥』
『ありがとう。少し落ち着いてきたからもう心配要らないよ』
今度はちゃんと笑うことが出来た。
そのとき、リュウジが注文したコーヒーがテーブルに置かれた。
『こっちはお前の分』
そう言って私の前に置かれたコーヒー皿には、沢山の砂糖やミルクが添えてあった。
『相当の甘党だもんな、お前は』
『覚えててくれたんだ‥ありがとう』
私は、砂糖とミルクを大量に入れてコーヒーを飲んだ。
『美味しい』
リュウジも微笑んでくれた。
『あぁ』
『では、奥の席にお座りください』
リュウジが歩き出したので、私も小走りで歩き始めた。
私たちが座った席は、2人専用の席で周りにはまだ誰もいなかった。照明も、明るいとは到底言いがたい雰囲気で「高級さ」を漂わせていた。この場に私がいていいのかな?そんな事を考えると、体が萎縮していた。
そんな私とは違ってリュウジは落ち着いていた。
『何か食べるか?』
リュウジの問いに私は首を大きく横に振った。
『何か飲む?』
また横に首を振った。
そのあとは私に話しかけることもなく、店の店員を呼んで何かを注文していた。私は雰囲気に圧倒されて何も出来ないでいた。
『おーい』
『えっ?何か言った?』
『どうした?気分でも悪いのか?』
リュウジは私を心配してくれた。
『ううん。そうじゃないの。そうじゃなくて‥』
『じゃあ』
私はテーブルの上に置いてあった水を一口飲んだ。
『こんな高そうなお店って来たことないから‥緊張しちゃって。服だって全然雰囲気とあってないし‥私だけ浮いちゃっているように思ったら何だか‥ね‥』
上手く笑うことが出来なかった。そんな私を見て、リュウジは手拭で手を拭いていた。
『こう見えて、俺も結構緊張していたりして?』
リュウジは私を安心させてくれる為に、そんな事を言ったのだと思った。
『そんな嘘、すぐに見破れるんだから。本当は何度も来た事あるんでしょ?じゃなきゃ、この店を選んだりしないと思う』
『それは‥』
『ありがとう。少し落ち着いてきたからもう心配要らないよ』
今度はちゃんと笑うことが出来た。
そのとき、リュウジが注文したコーヒーがテーブルに置かれた。
『こっちはお前の分』
そう言って私の前に置かれたコーヒー皿には、沢山の砂糖やミルクが添えてあった。
『相当の甘党だもんな、お前は』
『覚えててくれたんだ‥ありがとう』
私は、砂糖とミルクを大量に入れてコーヒーを飲んだ。
『美味しい』
リュウジも微笑んでくれた。