忘れられない人
『今日は遊び疲れたな~』

龍二は、部屋に置かれていたソファーに寝転がった。「服シワになるから脱いだ方がいいよ!!」と、何度も言ったけど聞いてくれなかった。私は一度ため息をついてから、台所に行ってコップに水を汲んだ。

『龍二、水持ってきたから飲んで?』

『ん~』

曖昧な言葉が返ってきた。

『龍二!!』

少し強めの口調で言うと

『口移しして』

って甘えた声で言ってきた。酔ってるの?それとも本気??私は「バカ!!」と言い捨ててコップを机の上に置いて部屋を出ようとした。すると

『ごめん!!』

と言いながら、私の腕を掴んだ。振り返ると真剣な目で私を見てきた。私‥この目に見つめられると弱いんだよね‥

『分かったから、手‥離して?』

龍二はニコッと笑いながら私を引き寄せた。


『キャッ!!』

私は龍二に捕まった。

『酔い‥冷めてるんでしょ?』

『うんにゃ?(笑)』

『もう‥』

私はしばらくおとなしく捕まっていてあげた。

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