水の王子様
休み時間、あたしは女子に聞いてみた。
「ねぇねぇ。海はどうして水泳を止めちゃったの?」
「あたし達もよく分からないんだけど何かをきっかけに水泳を全くやらなくなったの」
「…そっか。ありがと」
知らないなら本人に聞くっきゃないか!
あたしは学校をウロチョロ探し回った。
そして屋上に行ったときだった。
塩素でやられた茶色い髪と左耳のピアスがチラリと見えた。
「見ーつけたっ!」
あたしは寝転がる海を覗き込んだ。
「…なんだよ」
「学校案内してよっ」
「…は?何で俺がやんなきゃいけねぇんだよ。そういうのは女子に頼めよ」
「あたしは海に言ってるのー!」
「…ったく。案内だけだぞ」
こうして学校の色々なところに案内してくれた。
そしてあたしが1番楽しみにしていた場所にやって来た。