異世界プリンセス
彼――スタッド・ナイトリバー王子の話をまとめると、こうだ。

お抱え占い師の予言により、異世界で生きる運命の少女を召喚し、妃として迎えれば、国は安泰する、と…。

「そ、そんな理由で召喚されたのっ!?あたしは!?」
「そんな理由とはなんだ!国の安泰がかかっているんだぞ!?」
「だけど…!」

そんな声優さんボイスで責めないで…!
不謹慎にも萌えてしまうっ。

だけど…。

「だけど、あなた、そんな理由で、結婚相手、決められちゃってイイの!?」

アレ?
核心を突いてしまったらしい。

「お前に、何がわかる…」

俯いた前髪に隠れる瞳は、怒りの炎を宿す。

「何も知らない愚民が、このオレに意見するなっ!!」

「なによ!!」
って、言い返したかった。

でも出来なかった。

それは、彼の迫力に気圧されたとか、そうゆうんではなくて――…。

だって、そんな哀しげな顔されたら、何も言えなくなっちゃうよ…。
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