CANDY
「バスケ部のエースで、頭もよくってそのうえルックスも完璧!!!知ってる?先輩のファンクラブとうとう300人超えしたんだって!」
「うわ、生徒の4割強じゃん…。何のために入ってんの、それ…。」
「そりゃまぁ、先輩に近づけるチャンスを狙ってるわけだから、みんな。」
前々からお兄ちゃんの人気はすごいと思ってたけど、そこまでとは…。
そんなあたしを、理香が横からじーっと見てきた。
「…なに。」
「ん~?妬いてんのかなぁと思って。」
「妬きません。一応、実の兄ですから。」
「え~、あたしが妹なら絶対妬くのに~~~。」
「はいはい。わかったから。」
ちょっとうんざりすると、またすぐに理香はあたしのほうを見て、
「でもさぁ、先輩の方はどう思ってるのかなぁ?」
とにやにやしながら言ってきた。
「…何が。」
「苺のこと。どう思ってるのかなぁ、と思って。」