恐怖の感染連鎖
あらら…。怒りの矛先がこっちを向いたよ。

せっかく慰めようとしていたのに。

拗ねてしまったアタシは、とんでもない言葉を口にした。

「…なら、誰か生け贄になったら?」

「生け贄?」

「そう。昔は神様などの怒りは、生け贄を以て静めたと言われているの。誰か1人でもいいから、生け贄になれば物事は収まるんじゃないの?」

言った後、あまりに重過ぎる沈黙に、思わず言い過ぎたことに気付いた。

「なっなーんてね! 大昔の話だから、気にしないでよ!」

慌てて明るく言うも、クラスメート達はブツブツ何かを言っている。

「生け贄、かぁ」

「…どうせこのまま生き続けたって、良いことないもんね」

「『みぃ』にずっと祟られたままじゃあな」
< 18 / 30 >

この作品をシェア

pagetop