恐怖の感染連鎖
だから全員で黙っていることにした。

だけど次から次へと不幸な出来事に襲われた。

もう、逃げる術もない。

「きっと全員が生け贄になれば、終わるよ。担任も、すぐに追いつく」

「だね…」

全員、手摺の向こうへと立ち、みんなで手を握った。

「篠原紅海さん、そして『みぃ』。本当にごめんなさい」

そう言って、全員の体が前のめりに倒れた。

地面に次々と降っていくクラスメート達の肉体を、アタシは冷静な目で見ていた。

屋上の片隅から。

クラスメート達がここへ集まることは、教室にいればイヤでも耳に入った。

だから来たのだ。

彼等が本当に死ぬのかどうか、見届ける為に。

全員が地面に落ちた後、アタシは踵を返した。
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