シチリアの空
「怪しい男?」

次の日、あたしは昨日の男の事を店長に話していた。

あの男は話すなって言ってたけど…

あたしは話さずにはいられなかった。


「はい…。俺をここで見たこと誰にも話すなって、言われました」

「そいつ、指名手配でもされてんじゃねーの?お前大丈夫だったのかよ?」

店長は腕を組みながらあたしの顔をじっと見る。

あたしは両手を前で振り、
あり得ないですよ~
と笑った。


「あ、でも意外とあり得るかも…関西弁だったし…。こっち田舎だから逃げてきてたりして…」

と冗談を呟き、再び笑うと

「!」

突然、店長が目を見開いた。
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