先輩
好きで好きで大好きで

私の住んでる所は田舎で、小中一貫ではないけど

皆幼稚園からの仲だった。

「あっよかった唯いた」

「...和樹」

私は昔からこの男が好きなのだ


「今日も結構暗いし一緒帰ろう」


いつもいつも一緒に帰ってくれるのを嬉しく思いつつ

そっけない態度を見せる


「でも萌愛が一人になっちゃうから...」


いつも一緒に帰る親友萌愛を横目で見る


「いいよいいよ、表から帰るから、唯頑張れ」

ボソッと耳打ちすると手を振り走っていってしまった


一緒にいてくれたほうが楽なんだけどなぁ

マフラーに顔をうずめ歩き出すと和樹も後ろからついてくる


和樹はチャリ通なのに歩きの私といつも一緒に帰ってくれるのだ

まぁ自分が暗くて怖いだけっぽいんだけど


いつものように会話を弾ませる

でも出てくるのは好きな人の話題


「唯の好きな人ってどんな人?」

和樹だよとも言えず話を逸らす

「...和樹はやっぱり沙耶と付き合ってるんでしょ?」

「付き合ってないよ」

いつもそう言うけど目は合わせてくれなかった

和樹は小3の時引っ越してきた岡田沙耶って子が

好きだといううわさが流れていた

しかも私はその沙耶から付き合う事になった

と聞いたのだ

...確実にマーキングされたわけで

でも和樹は認めなかった

だから実際どうしようもない訳で

私はその噂があるせいでずっと告えずにいた
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