最初で最後の恋愛
「吉…岡?」
私は徐に吉岡と呼ぶと吉岡は笑顔で振り向いた。
「おぉ。目覚めたか♪良かったな。」
「……ぅん」
「もう帰るか?」
「ぅん…。ちょっと待ってて用意してくるから。」
「あぁ。分かった」

私は見ていられなかった。
吉岡の顔は怪我で一色だった。

口元は切れて目は殴られたのだろう。
腫れている。
鼻の上は青痣になっていた。


「幸実。吉岡怪我凄いね。」
「まぁ。あんだけ喧嘩したらそうなるっしょ。」
「そうだよね」
「帰るんでしょ?吉岡と」
「ぅん」
「仲良くしなよ。今吉岡あんなんだから優しくしたり」
私は幸実と保健の先生に深く頭を下げ幸実に手を振って保健室を出た。

出るといつもの吉岡が立っていた。


背高くなったなぁ。
1年の時は私より少し高い位だったのに今は見上げる位だもんなぁ。
男の子ってよく分かんないなぁ……。


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