イケナイ関係。
「極度のストレスと睡眠不足ね。」
医者の先生が事務的にそう言った。
あたしはただ呆然としていて話も途切れ途切れにしか頭に入ってこなかった。


あたしはあの後なんとか電話をかけて救急車を呼んだ。
そして今幹は近くの病院に搬送されてベッドに横たわっている。


「あと・・・食事もあまりとっていないようだけど・・・。あなた彼女でしょ？ちゃんと彼氏の体調気にしてあげなきゃ。これだけ弱ってたら見てわかるでしょう？大切な人を失いたくなかったらしっかりしなきゃ・・・。」
その医者の先生は怒ったようにあたしに言った。
その医者は若くて綺麗な女の人だった。


あたし・・・幹を殺すところだった・・・・。


そう思うと体がガクガク震えてきて自然と涙が溢れてくる。
その様子を見た医者は勘違いしたのかあたしの肩に手をやり慰めるように言った。

「大丈夫よ。これから彼女としてしっかりやっていけばいいんだから。若い頃ってそうなのよね・・・。好きすぎて周りが見えないことってあるわ。今回のことで分かったでしょう？」

あたしは医者の言葉にキレた。



何よ・・・さっきから彼女、彼女って・・・・！！あたしは幹の彼女でもなんでもない・・・彼女にもなれない女なのに！なんでこんなに偉そうにこの初対面の女に言われないといけないの！？


< 100 / 164 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop