イケナイ関係。
あたし達は保健室ではなく屋上に来ていた。
屋上には春の風が吹いている。

穏やかだけど強くて・・・風があたしの髪をなびく。


この風・・・・・・??


あたしは何かを思い出した。




「幹・・・?」
あたしは無意識のうちにつぶやいていた。

そう。幹・・・そういえば幹はこんな風にあたしの髪を撫でてくれた・・・。
大切なものは見失っちゃいけない・・・・。


あたしの瞳から涙がこぼれ落ちた。


「ここなら誰もいないからどんだけ独り言言っても泣いてもいいんだぞ。」
そう言って若林くんは微笑んだ。


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