愛言葉





それから何ヶ月か経った。私達は幸せに過ごしていたある日、玲奈がこう言った。



「莉月…あたし、あんたに本当のこと話さないといけない」

「…え………」

「…あたし今まで言ってなかったけど、本当はあたしも架月くんのこと好きなの」



私は知らなかった。好きな人が同じなんてことなかったから。私達は昔から一緒にいるから、誰が好きかなんてすぐわかってた。なのに………



「気付かなくて当然よ。莉月、あたし達はもう子供じゃないの。嘘くらい突き通せるようになんか簡単にできるのよ」

「でも今までそんなこと一回も‥「あんたの彼氏だからでしょ!?」

「あ………」

「…あたしこれからも言うつもりじゃなかった。叶わないのならせめて好きな人の幸せを願おうって…けどあたしには無理だった!…だから…莉月、あんたが油断してたら…あたし取っちゃうから」

「玲…奈……」



そんなことを言いつつ、私達の仲が壊れることはなかった。けど、少しだけ距離感を感じた。

そんな多少のことを、架月は気づいていた。





< 11 / 104 >

この作品をシェア

pagetop