darling
そして車を走らせること20分。
「着いたよ!」
車から降りると一軒家が目に入った。
窓からはゲンちゃんが顔を出して手を振っている、
「遅いよー!めんどくさがらずに一緒に行けばよかったー!」
と言いながら。
遅いとか言ってるけど…
私のことが気に入ったとか言ってたのが本当なら普通あんたも一緒に迎えに来るんじゃないの?
私も軽く見られたもんだな。
「陽菜ちゃんどうぞ」
将ちゃんに手招きされたのでゲンちゃんのことはスルーして上がらせてもらった。
『お…お邪魔しまー…す……』
夜分遅くにすみませんと恐縮しながら、暗い玄関のなか挨拶をした。
「ハハッ(笑)うちに上がる時は誰も挨拶しないから挨拶しなくて大丈夫よ、家族は部屋にいるし。」
『いや、そういうわけにはいかないよ!人様の家に夜遅くにお邪魔するなんて申し訳なく思うもん!それに、挨拶は当たり前のことだよ?誰もいなかったにしても。私は将ちゃんにも言ったの!』
「真面目ちゃんだなぁ~人は見かけによらないって本当だなぁ~(笑)」
将ちゃんは笑いながら部屋に案内してくれた。
て言うか、挨拶って普通じゃないの?
この人常識ないのかな?