まるで、恋


時刻は朝の7時。


電車が到着するまであと15分。


今日は公立高校の入学式だ。


この春、俺は高校2年生になる。


この町には高校が1つしかないため、ほとんどの奴が町を出て少し離れた大きい町にある高校に寮から通っている。


俺は家の都合もあり、この町から通っている。






それにしても、―――


未だに俺の肩で眠る見ず知らずの女を見る。


…無防備な寝顔だな。


この時間帯に来る電車は一本しかないから、それに乗るだろうと思い起こしてやることにした。


まあ、起こさねえと俺が動けねぇしな。


「おい、起きろ」


少し肩を揺さぶってみる。


「…んー?…」


目を擦りながら女が目を覚ました。――

















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